みなさまおがみしょうら!
タテ絣の締めばた担当の黒田です。
現在まで【原料となる絹糸について】・【糸繰り・整経】・【糊張り作業①】・【糊張り作業②】・【図案(設計)】・【締めばた準備】と進めてまいりました。
(前回までの記事はタイトルクリックでご覧いただけます。)
今回は縦糸の「絣締め」についてご紹介します。
前回は絣締め作業を行う前工程で、「ふん付け」「ひじき巻き」をご紹介しました。今回は実際の作業です。
「絣締め」を行うのは、「締め機」と呼ばれる大きな織機です。皆さんがご存じの「織機」より2~3倍近い大きさがあります。
写真を見て頂くとわかるのですが、沢山の糸が締め機の後ろから前にあります。これは「ガス糸」と呼ばれる綿糸です。この綿糸は後の工程で捨てられてしまう糸です。
足の部分にペダルがあり、足を踏みかえる事で、この綿糸が上下に入れ替わります。この入れ替わった間に、糊張り糸をまいた「ひじき」を通し織り上げていきます。
締めの動画はこちら
この綿糸を図案(設計図)に沿って必要な部分にだけ残し、一列一列ずつ織り上げていきます。今回の柄では後の工程も考え20種類の糸が必要になる為、1種類の糸が織り上がったら、綿糸のセッティングを変え、2種類目を織り始めます。
綿糸の筬通し(柄ぬき)の動画はこちら
上記のように図案とぴったり合っていることを確認してから次の絹糸を織り始めます。
織り上がったものも図案に合わせて再確認。ここで間違うと最終の織りまで響いてきます。
この作業を繰り返し行い「絣筵(かすりむしろ)」と言うものを作り上げていきます。
縦の絣締めの場合、特に前回紹介した「ふん付け」の印をしっかり一定の位置に合わせる事が重要です。
力と正確な作業を求められる為、通常男性の作業する事が多いです。最近ではエアーコンプレッサーなども使い、女性でも作業が出来るようになってきてはいますが、職人の大部分が男性で行われています。
この作業は時間がかかりますのでしばらく工場にこもります。
今後ヨコ糸の締めばたも紹介いたしますのでぜひご覧くださいませ。