みなさまおがみしょうら!
現在まで【原料となる絹糸について】・【糸繰り・整経】・【糊張り作業①】・【糊張り作業②】
と紹介して参りました。(前回までの記事はタイトルクリックでご覧いただけます。)
順序が戻ってしまうのですが、一番先にする工程が【図案(設計)】です。この作業が済んでないと糸の見積もりや計算ができないのです!
現在は専用のソフトが開発されパソコンで設計を行うことが多いのですが、以前はこの方眼紙に一点一点全て手描きで行っておりました。(本当に気が遠くなります)
この度のプロジェクトでは私たちの出発点ということもあり、大島紬の一番の伝統柄「龍郷柄」を元に設計をさせていただきました。いろいろなパターンを設計し、これから携わるメンバーの意見も取り入れこの度の柄に決定いたしました。
便利なことに出来上がり(織り上がり)のイメージまでプリントアウトすることができるのです。(昔は織り始めるまで想像するしかありませんでした)
設計は単に好きな柄を描けばいいというものではなく、この後の締めばたや染色、加工や織りのことまで考えて行わければなりません。さらにはタテヨコの絣糸・無地糸の見積もり、締めの指示など頭の痛くなるような計算までやっております。
龍郷柄の最小化、15.5算一元絣の復元、腕(裄丈)の長い女性や男性でもお召しいただける広幅での制作など、私たちにとって決して簡単な挑戦ではありませんが先人たちが培ってきた技術を受け継ぎ、次に残せるよう努力して参ります。
次は、糊張りをした絹糸を設計に沿って締めばたを行ってまいります。
次回をお楽しみに!ありがっさまりょうた。