みなさまおがみしょうら!
タテ絣の締めばた担当の黒田です。
現在まで【原料となる絹糸について】・【糸繰り・整経】・【糊張り作業①】・【糊張り作業②】・【図案(設計)】と進めてまいりました。
(前回までの記事はタイトルクリックでご覧いただけます。)
今回は本場奄美大島紬の製造で重要な工程についてご紹介します。
ずはり「絣締め(かすりじめ)」の工程です。大島紬が「世界三大織物」として、ゴブラン織り、ペルシャ絨毯と肩を並べる理由はこの工程にあります。
昔は奄美島内より一切情報を出さない技術でした。
「絣締め」とは・・・・・ズバリ!「糸に柄を入れる作業です」
大島紬は「後染め織物」と違い「糸1本1本に柄を入れて織り上げ、柄を表現しています。」この「絣締め」とはその糸1本1本に柄を入れていく作業の事です。
まずは事前準備がとっても大切!
「縦糸」のみに行う作業で、「ふん付け」(←方言だと思いますが・・・)を行います。別名「墨付け」とも言います。これは、“実際に絣締めを行う長さの間隔を合わせる”為に行います。ちょっと難しいですね・・・(苦笑)
上の写真のように墨汁や水性絵の具などで正確に印を付けていきます。
絣締め作業は1㎜の誤差も許されません。しかし糸と言うのは生き物です。1本1本伸び縮みします。その為、糊張り糸1本1本に一定の長さでの印をつけ、その印がいつも同じ場所にくるように絣締めを行っていくのです。
小さなズレはやがて大きなズレになります!織物として出来上がった時の出来栄えを大きく左右してしまう作業です。
その後、ふん付けした「糊張り糸」を絣締めする為の「ひじき」と言われる薄い板に巻き付けます。板に巻きつける!と言っても、今回制作する柄でも縦糸で「約26mの糊張り糸を、326本!」これは結構な作業量・・・。もちろん全て手作業・・・
ここまで準備が出来たら、次は実際の「絣締め」です。「絣締め」は次回に詳しくご紹介します。お楽しみに!